「このアルバムを書き上げた時、勝利を手にしたような気がしたんだ。

僕の事を不憫に思う人もいるけど、そう考えてしまう事もよくわかる。

でも、実際のところ僕はとても幸運だって感じているんだ。

こうやって愛すべき人々に囲まれて、こうやって音楽を作り続けていられる、

その事実にとても感謝しているんだ」 ─ ジェイソン・ベッカー

 

80年代後半に颯爽と現れて

高度な作曲と演奏を披露したジェイソン・ベイカー。

1990年の2ndアルバム製作中に筋萎縮性側索硬化症を発症する。

そのアルバムは5年後に代役のギタリストの協力を得て完成させる。

 

僕も休み休みながら数年がかりで練習している曲もあるのですが

とても基礎的であると同時に高度な曲が多いです。

18歳のソロ・デビューアルバムは全曲オリジナルは勿論

ギターを何パートも自身で重ねて録音しており

その時点で物凄い技量と音楽的な才能を現していた方です。

そのアルバム「Perpetual Burn」は教科書的であると同時に

未だに色あせず簡単には到達できない作品だと思います。

若き日の軽やかな演奏は本当に美しく溜息ものです。

 

数年前にyoutubeで比較的最近の映像が出ていましたが

症状は進行し眼球のみを動かせるのみという姿でした。

 

今日たまたまYOUTUBEの関連動画に出てきて知りました。

オリジナルの新作が昨年末に出ていることを。

信じられないです。

彼を敬愛するギタリストはとても多いと思います。

そんなギタリスト達が参加し彼の曲をレコーディングしたようです。

Triumphant Hearts(リンクはamazon)

 

人生は時に様々な問題があったり残酷なようにも見えるけど

美しく輝けるものは常に存在していると思います。

長い年月の苦悩もあったと思いますが

日々の観察の中でその美しさに到ってこの作品の完成にまで昇華された事に感動です。

人生は想像の外にあります。

人間が生きているっていうことはやはり凄まじいことなのですね。