教室も2度目の年末を迎えて
「よいお歳を!!」が挨拶になっています。
今年1年、演奏は勿論、指を上手に使う事や絵を書いたり
本を読んだり、お茶を飲んだり
様々なことが教室で共有されてきました。
目的は上手く演奏したいだったり
新しいことを知りたいだったり
感受性を高めて使っていきたいだったり
良い時間を過ごしたいだったり様々ですが
もう一つ踏み込んで捉えれば
常に一つの方向を向いているのだと思います。

そして、そんな色々なことができている状況を見ると
少しづつ教室も発展してきていると言えるのかも知れません。

10代の頃あれこれ考えていくなかで
物事が増大していく事を是として
いく事に興味をもてなくなりました。

どうせ仕事で長くやっていくなら
限りある時間を使っていくなら
何かを掘り下げていく事をやりたいな、
これなら苦しんでもいいと思える事をやりたいな、
ということを考えていました。

言葉にするとカッコいい感じかもしれないですが
好んで苦しみたくない事は避けてきただけかもしれません。

しかし、楽しみも苦しみも同じ量があるのが世の摂理なら
選べる苦しみは率先して受け入れた方がいいかなと思います。
放っておいても楽しみやありがたさは思いがけない方からやってくる。
思いがけないほうからやってくる楽しみをキャッチして
受け止められるように自分を開いておく。
楽しみは想定外がいい。

正しいか間違いかはさておき
そんな考え・本能に従ってやってきました。

この先、僕も教室も増大していく事目指すより
掘り下げていく事を優先していく日々は変わらないのだと思います。

そして、この小さな教室に来てくださって
毎週の小さなレッスン時間と普段の生活の中の時間を
大切に扱って下さる方々。
皆さんユニークで凄い力を秘めています。
そういった皆さんの表現が教室の中や外でみられることは
とても嬉しいです。

思い返せば増大していくことを上向きの矢印とだけで
捉えて嫌っていた若いころの自分に気が付きます。

これでは、かえって行動や探求を狭めてしまいます。

僕なりに掘り下げたいこと、
教室に来ている方々が掘り下げたいことに向かっていく
きっかけとなる場としての教室。
ピラミッドのような組織的な構造でなく
こういった下向きの方向で広く太く深くなっていくことも可能です。

深くなるほどに上部の間口が広くなる
すり鉢のような広がり方と言えます。
自他共に結果広くなっていく。

自分が上を目指すためにすそ野を広げる考えは性に合わないので
常に掘り下げていく一点でありたいです。
結果広くなれ!!