僕たちは普段は様々な完成品に触れている。

完成までには当然道のりがあって
その過程を体験することが経験という言葉だとしてみよう。

経験の重要性は言うまでも無いと思います。
しかしながら往々にして完成品は見られてもその過程は中々見させてもらえないものです。

どんな分野であれ、過程に触れさせてもらえる
機会があれば貪欲に経験していただきたいと思います。

僕も若い頃はそういった事には乱暴なまでに
貪欲であったと思いますし、そういった過程を見させて
くださった方々にはとても感謝しています。

そんな僕が運営する教室はそういった追求することに
時間をかけられる贅沢が許される場所でありたいと思います。

さて今回は頼まれもののお絵かきの過程を撮影
してみましたので完成品としてはつたないですが
どのように描いているかご覧ください。

最初はこんな感じでとても大雑把にスケッチ。
鉛筆で描いてから色鉛筆。

鉛筆を消しつつ少し色をつけて形をとってみます。

濃淡を意識して書き込んで見ます。

全体を色付けしながら濃淡を滑らかにしていきます。

背景部分も描いて全体のバランスが見えてきましたね。
背景がつくと色や明るさも違って見えてきます。

濃淡をさらに細かく整えていきました。
少し絵に重みというか質感も出てきましたね。

さらに全体が滑らかになるように色鉛筆を柔らかく刷り込んでいきながら
細かい毛なども描いていきます。

とりあえず今回はここまでで完成にしました。

ついでにもう一枚描いて気に入ったほうを選んでもらいました。
喜んでくださったようです。

結構怪しげなスタートでも最後には形になりましたね。
出発から様々な過程を経て一応自分でキリがつくまでやってみるのは大事だと思います。

そうするとどういう過程を経ていけばいいのか、
どういうことを途中で感じるのかが分かりますので
最初から根をつめすぎたり
途中で嫌になって投げ出さなくなると思います。

今回の例が全てではなく
様々な過程のパターンを発見してください。
それが経験値となっていきます。

また2枚目や3枚目の段階で批評や判断しても意味が無いことも分かっていただけると思います。
ここはとても大事な分岐点だと思います。
ここで自分でも他者でも上手く導く方法が分かれば次の段階に進めます。

今回、僕は小さな子どものように描き始めて
段々と人が成長していく様を見ていくような感覚で
描いています。(伝わるかな?)

この2,3年お絵かきを楽しんでいますが、
まだ自分で技術として落とし込んだり
分解して整理していませんので絵を指導することはできません。

しかし作業中の心の動きや対象や道具にどのように触れるか
という事は音楽をやってきた中で学んできた技術です。
様々な手法や経験を抽象化して他分野に応用できる
技術にしていく事を楽しむことも出来ますね。
既にある経験を音楽に利用していただいたり、
音楽や教室で得たことがあればどんどん応用していっていただきたいと思います。

皆さんの絵や演奏は上の絵のどの段階に当てはまると思いますか?
モノサシとして眺めてみてください。

また、時間を見てアーカイブのほうで音楽に当てはめて
解説してみますね。
それまで一度考えてみてください。

この絵の先に行ってますでもモチロンOK。