雨続きの中に晴れの日があると

それだけで嬉しいですね。

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先日は自分の発する言葉について書きましたが

今回は俯瞰的に日本の音楽について書いてみたいと思います。

 

言葉と音楽はずっと関連していて

言葉が変われば音楽も変わっていきますし

音楽を変えるために言葉を変えてきましたともいえます。

 

かなりざっくりと書きますが

日本では西洋音楽を消化していくのに

日本語に置き換えて歌っていくという事が

おこなわれてきました。

古くはオペラも翻訳して日本語で歌ったり

ラテンやシャンソンの流行り歌、フォーク、オールディーズ等も

日本語に訳して歌ってきました。

 

この頃の音楽は作曲家や作詞家という

職業の人達が作るのが基本でした。

 

50年代にロックが生まれて

自作自演の音楽が主流になってきます。

すなわちシンガーソングライターの時代です。

 

それによって日本でも多くの若者たちが触発されて

自分の世界を表現するものとして音楽と取り組んでいくようになりました。

 

その頃はロック・ポップス=アメリカ音楽・アメリカ由来のリズム

と捉えるのが自然な時代でしたので

そのリズムにどうやって言葉を乗せるのかを

多くのミュージシャンが様々なアイデアで

取り組んできました。

 

はっぴーえんどのですます調にはじまり

桑田圭祐さんの外国語風だったり

忌野清志郎さんの日本語の自然なイントネーションを壊さないようしながらも

リズムにのる作詞や歌い方だったり

佐野元春さんのように物語にあふれ一定の品格をもった作詞や歌い方だったり

それぞれの方がイメージする良い感じになるようにどうすればいいかという

ジレンマや格闘・工夫がなされた時代がありました。

これらの生み出された手法は今でも継承されていると思います。

 

そんな時代を経てそういった軋轢のようなものを感じさせない

ミュージシャンも出てきました。

スピッツとか小沢健二さんピチカートファイブなど

軽やかに凄く自然な言葉を音楽にのせて表現してくれています。

(工夫がないという意味ではありませんよ!!!)

 

そして椎名林檎さんのように自然な言葉と共に

あえて脱歌謡曲として切り捨てたような言葉遣いや

古い日本の唄特有の湿り気のある言葉の乗せ方や巻き舌を

積極的にしかも格好良く聴かせてくれる作品を

作る方も出てきました。

 

そして宇多田ヒカルさんのように細かく複雑なリズムと言葉を

同居させた新しい音楽を提示してくれたり

Hip Hopが生まれ日本語でラップを表現するために

韻の踏み方など様々なリズム的な試みがされてきた時代がありました。

 

またアニメの発達の中で声優のような発声や

声のキャラクターを作ることによって

ある種のファンタジックな世界を作ることも

可能になってきました。

SEKAI NO OWARIがやっていることは以前なら成立が

不可能な音楽だと思います。

 

アニメ声や若者言葉(発音)はそういった方向の変化で

より音楽で使いやすい発音に変化してきたのだと

思います。

 

そういった過程を経て段々とこの言語に適したポピュラーミュージックが

完成してきていると感じています。

 

物凄い文章量になりそうでしたのでかなり端折りましたが

言葉と音楽の変遷を感じていただけたらと思います。

楽器で奏でる音の発音も同様に変化してきています。

そういった目と耳で様々な時代の音楽を聴いてみてくださいね。

 

今だからこそ広沢虎造さんとかも聴いてみると面白いかも。

同じ言語の発音の幅の広さが楽しめるかもしれません。

表現と発音は切り離せずにそれぞれが全て魅力的です。

 

*上であげたミュージシャンは個人的なリスニング経験を基に

していますので必ずしもその手法のパイオニアであるとか

学術的なものではありませんのであしからず。

書いていてそれぞれのミュージシャンの凄さに改めてぞっとしました。

 


 

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