ギターとベースの教室ですので
ギター・ベースを弾かれる方は沢山います。
ですので僕は打楽器や鍵盤楽器を弾く事もよくあります。

それだからか絵の描き方を教えてとかギターやベース以外の
楽器を教えてといわれる事もあります。
ちょっと体験してもらうぐらいの事はできますが
指導して上達してもらうことを念頭に置くと
「それは出来ないよ」という答えになります。

指導するためには
自分がどうやってそれを行っているかを理解していることと
それをやるのに違う方法がありえるかを把握していること。
その自分がやっている方法と違った方法の共通のポイントが
見えていること。

そしてそれが上手くいかないやりかたには
どのようなやり方があるか?
先ほど見つけたポイントに対してどのような事柄を
ポイントとしている可能性があるか?
ということに常に気を配って発見していくスタンスが大切です。

それがあった上で対象となる方の状態を見て
向き合ってレッスンをしていくことになります。

僕の中である程度出来るけどそのための要素を分解して
理解していないことは沢山あります。
自分が必要としているだけの知識しか持っていない事が結構大半で
やってはいるけどそれほど煮詰めていないものは物凄く沢山あります。

どの楽器でも共通して使えるであろうポイントはありますので
ある程度やっている人にはそういった点からアドバイスを
伝えることはできなくもありません。

例えばピックの持ち方や手の使い方の
イメージは人それぞれ違います。

単純に言えば人差し指と親指ではさむのですが
(勿論中指で持つ方もいらっしゃいます)
その時に注意できるポイント(選択可能なポイント)は沢山あります。
1点書き出して見ますと

ピックを挟み込むときに人差し指と親指の中間点と
しているだろう状態をよく見かけます。
人差し指中手骨の中間のどこか一点が掴む動作の軸として働いています。
そうすると本来可動部ではないその周りの筋肉はこわばってしまい
動きや情報を感受する力が鈍くなります。

人差し指はMP関節から親指はCM関節から動かしピックを
持ちます。
(人差し指CM関節から動かす事もできますが
それは少し知覚しにくいですのでCM関節で良しとします。)
その2点を意識してその結んだ線すなわち
人差し指MP関節と親指CM関節を結んだ線、または
人差し指中手骨を一つの線と見立てます。
その線を意識してコントロールしてみるといつもと違う発見はあると思います。
またピックの先端にも意識はいってますので
3点が結ばれた三角形が出来ます。
その面を操作するように動かしてみては如何でしょうか?

これが正しい持ち方というわけではありません。
このように動作を捉え直して動かしたときに何か発見があることと思います
こういったアイデアをいくつも組み合わせて複雑にしてまたエッセンスを取り出して煮詰めて動作を作っていきます。
洗練されたシチューのようなものです。
単純すぎてもごった煮でもいけません。

そういった様々なことを突き詰めていき
自分の中で当たり前になったときに
人には自然な動きと見えるようです。

こういったアイデアを理解し応用発展していくことで
フィンガーピッキングやベースの各奏法
他の楽器などにも試していくと音楽や自分が行う様々なことが
楽しくなっていくと思います。

秋のひと時、手を眺めてお過ごしください。
興が乗って季節を忘れて行えるようになたら幸いです。やっている