最近、鉛筆で子供の顔をデッサンしていて
ふと、描いているその絵の中に
頬っぺたの赤味や服のベージュの色味を感じることが出来ました。

それは、今まで描いてきたのは単なるグレーの諧調に
過ぎなかったことに気が付いた瞬間でもあります。

何かの瞬間に今まで出来ていなかった事に気が付く
こういう感じというのはとても面白い。
そういう感覚の飛躍が突然起こるのも面白い。
それは様々な事の小さな積みねの中で起こるのだと
思っている。

音楽でもそういう事は何度も起こっています。
自分の音が音楽になる瞬間。
その瞬間、今までただ音の羅列や理屈を
あぁだ、こうだとこねくり回していただけ
だと気付きます。
狭い範囲の中であれこれ考えていたことに
気づく瞬間。
その時々そうなのは当然しょうがない事でもあります。

物事は出来てない所からスタートする
と同時に出来ている気になっているところから
スタートしています。

出来ていない事が出来るようになる成長と
出来ている気になっていたことが
そうでなかったことに気づく成長。

後者の方が難しい成長かもしれません。
それは手を握ったり開いたり、座っていること
すらちゃんと出来ていなかったと気づく瞬間。

出来ている気になっているだけの駄目な段階から
出来ていない事が分かってようやく下手になれる。
下手と上手は同じ線上に存在しています。

ある瞬間に少しわかって、
それまで出来ていなかったことに気づく。
そしてその分かった自分が進んでいく。
これは不可逆なレベルアップです。
一皮むけたという言い方もありますね。
分かったら気づいていなかった時には戻れません。

そういう飛躍がたまに起こります。
それが無くてはいけません。

一皮むけた、芽吹いたという言葉に
ピッタリな玉葱を描いてみました。
コピー用紙に鉛筆3本(3B、HB、3H)40分程。

凄い絵でも、特別な絵でもないですが
自分の手からこれが出てくるのが僕には面白い。
手が変わったのか目が変わったのか
脳が変わったのか???
お絵描きが少し絵らしいものになっている気がします。
暫くはこの感じと戯れて育てていこうと思います。


気付いていないから
そのように振舞える。
それは、しょうがない事。
だれもが大なり小なりそうだから。
その中で精いっぱい生きればいい。
真摯な継続のみ飛躍に通じる。
飛躍しなかったら、まぁそれはそれでいいんじゃない。
そこは目的のようで目的でなかったりする。